子供たちが寝静まったあとの一人の夜の寂しさを紛らわせる



寂しさが増していく父子家庭の夜

そんなこんなの父子家庭生活は3年ほど続いた。
それくらいになるとライフサイクルも出来上がってくる。

更に実家の近くに引越し、仕事の忙しいときや飲み会のとき子供らを預かってもらったりして、かなり楽な父子家庭生活となっていく。

ほんと、他と比べると恵まれた父子家庭生活だったと思う。
料理の腕前もかなり向上したし、掃除洗濯、特にアイロン掛けはプロ級になった。

しかし、時間の余裕が俺の寂しさを募らせることとなった。

子供らが寝静まって一人の時間、話し相手も喧嘩相手もいない。
そんな一人の夜が離婚前離婚後をとおして、もう6年近くも続いていた。

ふと、ベッドの横をみると埃をかぶったPC。
父子家庭になってドタバタした生活の中で3年近く触れることもなかった。

久々にPCを立ち上げてみる。
新品で購入したはずのPCはいつのまにか色褪せてしまっていた。

画面を見ながらマウスを動かす。
クリックを繰り返す。

同じ父子家庭のHPを見ながら、

「うん、うん」

と自然にうなずいている自分がいた。



某サイトの掲示板で見つけたトピック

子供らが寝静まってからネットを楽しむようになって、某サイトの掲示板をよく利用するようになった。

なかなか面白い。
最初は見てるだけだったが、じきに参加するようになった。

文字だけのつながりでしかなかったけれど、

会話が成り立つ。
話し相手が出来る。

俺の求めていたものがそこにあった。
寂しさを紛らわせるには十分な時間を持つことが出来ていた。

そうこうしているうちに、
その掲示板の中で、出来立てほやほやのトピックが目に留まった。

訪問者がまだ一人もいないそのトピックは、

まるで俺を誘っているかのように思えた。

子供らに夕食をさせ、残業のため再出勤する前に、
俺はそのトピックに書き込みを入れた。

「こんばんは、初めまして」
「子供たちを寝かせて、残業のために再出社です」

「行ってきます」

と。

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